2007年08月26日

鳥になった日[スクール5日目]

初めての朝練
朝練は、山のテイクオフから飛ぶことのできるスキルを持った講習生を対象に、1本でも多く飛ぶために時々実施しているようだ。
普段は9:00受付開始、9:30頃から午前の講習が始まるが、遠路講習に出かけて来ても、車で山頂まで行き、飛んで、と繰り返し飛ぶことのできる本数は限られている。
そこで少し早めに出かけてきて、皆が来る前に1本飛んじゃおう、というものだった。
自分はまだ1人前に飛べるわけではないのだが、今日は早く来るように言われていた。
クラブの宿泊施設で7:00前に起床し、8:00に一番乗りでエリア入りした。
するとインストラクターのKさんから「タンデムに行きます。」と言われた。
山頂のテイクオフから決められたルートを飛んで、正しく高度処理をしてからランディングをする、という訓練を繰り返しているスクール生に混ざって、インストラクターと2人で飛び、シュミレーションをするというのだ。
出かける前にクラブハウスで、無線機の取扱いと装着の仕方、送話受話のルールなどを教わり、また決められたチェックポイントを通過する際の申告方法などを教わった。
最初に体験した、お試しコース以外でテイクオフから飛ぶのは2度目。
高いところを飛べるので、とても嬉しかった。
早速グローブを持って車に乗り、8:00少し過ぎに山に向かった。




8:30頃、テイクオフに着いた。
まだ朝もやが少しかかっており、遠くのほうは霞んで見えなかったが、空気が澄んでいて景色はきれいに見えた。
テイクオフとランディングの風の状況を、インストラクターが無線でやりとりをして頻繁に確認をしていた。
ひよっこパイロット達は、風の急な変化などに対する、特別な操縦方法はまだこれから学ぶわけであり、フライトは安定した条件のもとでなくてはならない。
なかなか理想的な条件とならずに、装備だけを着けてしばらく待った。
そのうちインストラクターからGO!が出て、スクール生が離陸の申告をし、次々に飛び立っていった。
自分とインストラクターKさんも、最終点検を終えた後、タンデムでテイクオフから飛び立った。
「じゃあ、行きましょう!」
少し走ったところで、すぐに体がふわりと浮いた。
それから間も無く、事前の打ち合わせ通り、まずハーネスによいしょっと腰掛けて、すぐに操縦を交代した。
チェックポイントを目指して思い通りに操縦する方法、コツを教わり、またいくつかあるチェックポイントを上空から確認した。

・旋回したい時には、まず目標物を定めてそちらを見る。
・旋回のときには、ブレークコードを引きつつ体重移動もする。
・直進時、両手のブレークコードは少し力を感じる程度に引いて持つ。
などなど...

一人で飛ぶ上で必要な事柄を一通り教わり、離陸から約10分後に無事ランディングした。
今回はさすがに、きれいな景色をゆっくり堪能する暇などなく、操縦とチェックポイントの確認だけで精一杯だった。
降りた後、インストラクターKさんと、タンデム用の大きなグライダーを畳んでバッグに押し込み、クラブハウスに戻った。
この頃にはすでに、ベテランさんやスクール生がハウスに集合しており、結構賑わっていた。
冷たいスポーツドリンク1本を飲み干した頃、インストラクターから本日の気象・風の状況、スケジュールや注意事項について発表された。

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とにかく自分はまた、基本的に練習場所は地獄の講習バーンだ。
この日は、先週末に出会ったMさんが来ていた。
彼は約1年前、「じゃあ次来た時には山から1人で飛んでもらうからね。」と言われたのに1年もブランクを作ってしまい、最近講習を再開したのだった。
よって少し基本的な部分からのやり直しが必要で、自分と一緒に講習バーンでの練習を繰り返している。
だいぶ感覚を取り戻している様子で、ライズアップやその後の修正もきれいだった。

自分も頑張って、手順をひとつひとつ確認しながら、教わったことを繰り返して自分のものにしていった。
講習バーンで基礎練習.JPG
[愛機を思い通りコントロールできるようになってきた自分]

お昼になったのでハウスへ戻り、今日もおにぎりを食べた。
ハウスの中はクーラーがきいていて、とても気持ちがいい。
休憩時間中、Mさんがハーネス調整用のスタンドに自分のハーネスを吊下げて乗り、インストラクターKさんに、ベルトの長さを調整をしてもらっていた。
その他、旋回時の体重移動や操縦について教わり、イメージトレーニングをしていた。
トレーニングについては、自分は朝練で一通りやっていたのだが、ハーネスの細かい調整はまだだったため、インストラクターKさんから「次はmasaさんもやりましょう。」と言われた。
Mさんがイメージトレーニングをやっているのを、しばらく一緒に見ていた、
Kさんから「じゃあスクール生の方々はこちらの部屋に集まってください。」と、隣の部屋に呼ばれた。

学科講習
午後は、13:00から講習バーンに出かけても、暑すぎてすぐふらふらになってしまう。
この日も気温が高かったことと、風の条件もあまりよくなかったため、午後から気象の様子を見ながら、学科講習をやります、ということになった。
ライセンス取得のためには、学科講習と試験を受けて、これに受からなければならない。
科目は気象や力学などいくつかあり、安全に飛ぶためにはどの知識も必要なものである。
自分を含め、初心者寄りの者8名ほどが教室に集まり、涼しい中で「気象」の勉強をすることになった。
インストラクターが、パソコンを使ってわかりやすく気象の基礎を説明してくれた。
学科講習.jpg

元々自分は、天気図などみても、得られる情報などほとんどなかったのだが、天気図とその時々の具体的な気象の状況を教わり、結構面白くなってきた。


地球のことをもっと知ろう!

ひとりで大空へ! 〜初フライト〜
1時間ほど気象と風に関する講義を受けた後、エリアの風の状況が安定し、ひよっこパイロットに適した条件が揃った、と言われた。
「じゃあ準備をして、上がりましょう。masaさんとMさんも、上から飛んでもらいますから頑張ってください。」
「え、ええっ?!」
朝、インストラクターのKさんから「うまくすれば今日の夕方、上から飛んでもらうかも知れません。」と、さらっと言われてはいたのだが、まさか本当に今日やるとは。
あまり本気で考えてはいなかった。
嬉しくてたまらない感情がまず先に溢れてきたが、その直後に不安な要素がたくさん頭に浮かんできた。

Q・今まで教わったことだけで、本当に一人で飛べるのだろうか?
Q・何かあったときの対処方法を細かく教わっていないが大丈夫?
Q・ランディングの要領もまともに教わっていないのにいいのか?
Q・テイクオフするか中止するかの判断基準を教わっていないが?
Q・アプローチに入る的確な高度は自分で判断できないが?
Q・トイレに行きたくなっても空にはトイレがないが?
Q・テイクオフ直後すぐ下にある木の先っちょに足が引っかかった場合はどうすればいいんだろうか?


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「はい、じゃあ車に乗ってください。」

突然、初めて飛ぶことになった自分とMさんは、しばらくお互いに顔を見合わせて「....。」となった。
Mさんは過去何度か地上の練習は重ねてきているらしいが、自分はなにしろスクールに通い始めてまだ5日目だ!!
たった5日の練習で、一人であんなに高いところから飛ぶのか。
すでに何度も飛んでいるスクール生の皆が準備を始めたので、自分たちもあわてて機材を準備した。
テイクオフまで結構時間がかかるので、忘れ物はできない。

・朝借りた無線機とそれを胸に固定するホルダを持ち
・くつろぎモードのサンダルからブーツに履き替え
・手に入れたばかりのぴかぴかのヘルメットを大事に持ち
・汗で濡れていたので干してあったグローブを回収し
・ハーネスとグライダーを詰め込んだバッグを車に載せて
・高高度フライト時には着るように言われていた長袖シャツを持った。

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急いで車に飛び乗った。
山頂に向かう車の中で、スクール生はいつもの通り和気あいあいと楽しくおしゃべりをしていたが、自分とMさんはほとんど無口であった。
ソロフライトをとても楽しみにしていたはずなのだが、いざその時になると、やっぱり緊張してきた。
頭の中で、教わったことを色々整理した。
段取りとチェック、通過ポイント、コントロール方法...

間も無くテイクオフに着き、皆自分の機材を下ろした。
すでにベテランパイロットさんたちが集まっており、順次離陸をしていた。
スクール生と違って、決められたコースをたどって降りるのではなく、上昇気流を見つけては高く上がって、トンビのように大きく円を描いて飛んでいた。
1、2時間滞空している人もおり、ごはんや帰る時間まで降りてこない人はざらだそうだ。
今到着した我々を含めて、テイクオフには20人くらい集まっていた。
心の準備をしつつ、先輩たちのグライダーを広げたり、ラインのからみをほどいたりと、お手伝いをしばらくやった。
ハーネスを着けると地上では動きずらくなるし、効率よく次々と飛び立つためには、全員が互いの準備を手伝うのが常識になっている。
しばらくすると、次の組が車で上がってきた。
皆高度計や昇降計など高級な装備を着けており、グライダーも初心者向けのではなく、もっといいやつだ。
後発の先輩たちの準備も手伝いながら、じっくりと見学を続けた。
ふと気付くと、ここへ来てから1時間くらい経っていた。
残っているのは今日初めて飛ぶ、自分とMさん、そして後から上がってきたパイロットのお姉さん、お兄さんの合わせて数人しかいない。




テイクオフの先端に立ち、空域の風の状況をリアルタイムに確認し、パイロットに情報を伝達するインストラクターが「2人もそろそろ行く?」と言った。
「ぎくっ!」
覚悟を決めて、まずMさん、次に自分が行くことにした。
Mさんがまもなく無線で、ランディングにいるインストラクターTさんに対して離陸の申告をして、バサッとグライダーを立ち上げ、ふわりと空中に飛び立った。
地上のランディングからはその様子がよく見えないので、最初のチェックポイント通過までは、テイクオフにいるインストラクターから無線で細かい指示が出される。
その後の指示は、地上のインストラクターへとバトンタッチされ、接地まで慎重に、細かい指示が出される。
観察と指示をするインストラクターは基本的に1名なので、初フライト2名が同時にフライトするわけにはいかない。
Mさんが降りるまで、自分はテイクオフでしばらく待つよう、指示をされた。
待っている間、ハーネスとグライダーをつなぎ、手元のライザーや命綱である腰のカラビナ2個を何回もチェックした。
極度の緊張で心臓が止まらないように、深呼吸もたくさんした。
立って待っている自分の後ろでは、風にあおられてしまうので、先輩パイロットのお姉さんたちが、ラインがからんでいないか何度かチェックをしたり、キャノピー(グライダーの翼部分)を持って待機してくれている。
無線の指示に従いながら、ランディングへ向かうにつれて小さくなっていくMさんの様子を、目を凝らして見守った。
Mさんはフライト中、操作が緩慢だったり、何度も教わっているはずの手順を間違えたりしているのか、ちょっぴり叱責されている声なども、無線から聞こえてきた。
テイクオフにいる先輩やインストラクターさんは苦笑いをしていたが、「自分はああならないように頑張ろう。指示には迅速に反応しよう。」と、2番手でよかったとつくづく思った。
はるか彼方のランディングの上に到達したMさんのグライダーが、ぱさっと地上に降りたので、無事着陸したのがわかった。

いよいよ自分の番だ。
自分は、高いところは全然平気、むしろ好きなほうなのだが、このときばかりはちょっと怖くなった。
先輩たちから「大丈夫だよ。」「頑張って!」と激励を受けた。




ひとりで大空へ! 〜約10分の孤独なフライト〜
インストラクターに促されて大きく深呼吸をした。
「はい!じゃあ行ってみようか!!」
無線で申告をした。
「masaです。masaです。初フライトです。よろしくお願いします。」
地上のインストラクターTさんから
「了解。落ち着いていきましょう。頑張ってね。」と返ってきた。

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テイクオフ先端に立つインストラクターからGOサインが出た。
講習バーンの斜面でいつもやっていたように、左右のライザーを均等に力強く、体でぐいっと引き、前進した。
すぐに風の力を腰の辺りに感じ、負けないように前に踏ん張った。
後ろでばさばさっと大きな音をして、お姉さんが持っていてくれたキャノピーが、頭上にぐっと上っていった。
講習バーンの時とは違い、山頂に吹き付ける風は力強かった。
ライザーに添えた手が真上近くになったところで、すかさず真上を見た。
この時点で体が浮いてしまうのでは?と思うほど、風の力は強かった。
1、2秒くらいで、ラインが絡まっていないことをさっと確認し、両方の手を引き下げてライザーを引いた。
こうすることで、立ち上がった勢いでさらに前進しようとするキャノピーを、一度頭上で減速させ、自分と一緒に前進するためのタイミングを合わせることができる。
テイクオフのインストラクターから「OK!はい加速!」と指示があり、崖に向かって走りだした。
「しっかり前を見て!速度を落とさない!そのまま走って!」
5歩くらい走ったところで体が浮くような感じがして、10歩もいかないところで地面が無くなった。
その途端に体がふわりと浮き、前方に向かってグライダーは進んだ。

風がさーっと前から吹く音が聞え、代わりにそれまで聞えていた、テイクオフの皆の声が聞えなくなった。
もう何かあっても、誰も助けには来ない...。

グライダーから吊り下がる自分の体は、足を宙ぶらりんにしたまま、少しの間前後左右に揺れていたが、まもなく安定した。
テイクオフのインストラクターから無線が入った。
「はい、きれいにきまりましたね。テイクオフはばっちりでした。じゃあそろそろハーネスに座りましょう。」
教わっていた通り、落ち着いて、握っていたブレークコードから両手をそっと離し、腰の辺りでハーネス左右のふちをつかんで、おしりを後方によいしょとずらした。
うまくハーネスに座ることができ、再びブレークコードを軽く持った。

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テイクオフにいるインストラクターからまた無線が入った。
「はい、うまく行きましたね。安定して飛んでいます。最初のチェックポイントまで少し時間がありますから、落ち着いて向きを修正してみてください。西日がさして、遠くの景色がきれいに見えます。」
自分の極度の緊張を気遣って、リラックスをさせようとやさしいアドバイスが届いた。
景色をゆっくり見る余裕はなかったのだが、だいぶ気持ちが落ち着いてきて、とても気分がよくなってきた。
すわり心地はよく、体全体を包み込む形状をした椅子に腰掛け、高さ500mのブランコに座っているような感じである。
風が少し右から吹いているようで、グライダーがチェックポイントから、左方向へそれるように流されているのがわかった。
教わったとおり、チェックポイントの山と、その延長上にある民家の屋根に目標を定め、体重を右にかけて、右のブレークコードをゆっくり肩の辺りまで引いた。
自分のグライダーの操縦感覚を、初めて体感した。
グライダーは右へ、ゆっくりと小さく旋回を始めた。
そろそろ2つの目標物が自分の正面の先に来るという頃、ブレークコードをまたゆっくり戻して直進に入った。
顔を上げて、頭上のグライダーを見た。
デザインが気に入って選んだブルーの生地に、オレンジの鋭いラインが入ったキャノピーが、しっかりとエアインテイクから空気を取り込んで翼を形成している。
大きな翼を見て安心、さらにリラックスできた。
その下から、自分に向かって何本ものラインがびしっと延びている。
絡んだりねじれたりというような、異常は無かった。

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テイクオフにいるインストラクターから無線が入った。
「上手にコントロールできてますね。チェックポイントを通過したら連絡を入れてくださいね。」
飛び立ってから少し経って、最初のチェックポイントである山の上に到達した。
両手はブレークコードを握っているので、右手だけを引いてしまうと右旋回が始まってしまう。
これも教わっていた通り、両方の手を額の高さまでゆっくり引き下ろした。
そしてヘルメットの、額の右辺りに付いているPTT(送話)スイッチを押した。
「masaです。masaです。ただいまチェックポイントを通過しました。」
するとランディングにいるインストラクターTさんから返事が来た。
「はい、うまく飛べてますね。落ち着いていきましょう。高度が十分にあるようなので、少し旋回に慣れておきましょう。」
自分自身も自分のグライダーの操縦感覚をまだ全然わかっていないし、インストラクターも、自分が指示した操作に対し、この新しいグライダーがどんな反応を見せるかわからないので、それを確認するのだろう、と思った。

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「じゃあ右45度に旋回してみてください。ゆっくり操作してね。」
タンデムフライトを思い出し、45度方向の山の斜面にある木の特徴的な部分に狙いを定め、頭のちょっと上くらいにあった右手を、2秒くらいかけて肩辺りまで引き下ろした。
非常にゆっくりした早さで右旋回が始まった。
「もう少し引いてみようか。」
さらにこぶしひとつ分くらい引くと、少し旋回速度が速まった。
「いいねー。その調子。はい、じゃあゆっくり手を戻してー。」
40度くらいになったので、右手をまたゆっくり頭の上くらいまでまっすぐ戻し、直進に入った。
「じゃあ今度は90度左旋回してみて。」
左の山の木をよく見て、今度は最初から肩プラスこぶし1個分までゆっくり引いた。
さっきよりはキレよく、すーっと旋回した。
直進に戻ったところで、さらに次のチェックポイントを目指すよう指示をされた。
まだ高度は結構高い。
上昇はせず、500mのテイクオフからランディングまで滑空して降下するだけの通称「ぶっ飛び」と呼ばれるフライトではあるが、まだ少ししか高度は下がっていない。

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次のチェックポイントは道路の交差点だ。
体重移動とブレークコードの操作で進路修正をしながら、無事チェックポイントを目指し、ほぼ真上を通過した。
体重移動は、ハンググライダーで見るように、ぐいっとという大きな感じではなく、椅子に座っている状態で足を組むときに、片側に重心を移すような感じ。
右足をそのままに、左足を右足の上へ持ってくるように力を入れると、グライダーはそちらに旋回しようとするのである。
「はい、じゃあ左に旋回して屋根を目指してください。」
地上目標物のひとつ、教わっていた民家の屋根を目指して左旋回。
民家の屋根の上を通過した頃、次の指示が来た。
今度は右に180度くらい旋回し、講習バーンのすみっこにあるポイントへ。
この屋根と、講習バーンのすみっこを繰り返し旋回し、ランディングに入りためにちょうどいい高さまで、このエリアで高度を処理する決まりになっている。
細かい無線の指示に従って操作を繰り返し、ちょうどいいくらいの高さまで降りてきた。
ランディングには、先ほど着陸したMさんや、初日から基礎を教えてくれているインストラクターのKさん、先に飛んだスクール生の人たちが、グライダーを畳んでこちらをじっと見ていた。
もうすでに、全員の顔がわかるくらいの高さだ。

ひとりで大空へ! 〜ファイナルアプローチ〜
「はい、じゃあそろそろ降りる準備をするよ。乗り出してー。」
座っていたハーネスから前方へ、よいしょと前に乗り出す。
離陸直後と同じように、足が宙ぶらりんの状態になった。
飛行機でいうギアダウンだ。
着陸目標をよく見るように言われたので、「あの辺だな」というところを見据えた。
「はいっ、じゃあ両方ともぐーっと腰の辺りまで引いてー」
「はい、さらに下まで引いてー。」
言われた通りに忠実に操作をしたら、高度10mくらいのところでグライダーにゆっくり減速がかかり、沈下速度が小さくなった。
「はいっ!全部下まで引くーっ!!」
あと1mくらいか、というところで、思い切って目一杯下まで引いた。ふわりとフレアがかかり、足が地面に着いた。
少し前へ、たたたっと走って止まり、グライダーは前方へ倒れ込むようにしてばさばさっと潰れた。
本当は自分が前に出て、後ろ側へグライダーをおろすのが良いようだが、すっかりそんな事は忘れていた。
自分が立っている場所の、2、3m先にはドブがあることにも気付いた。
全然気がつかなかったが、ひょっとしたらここに落ちていたかも知れない。
次からちゃんと着陸地点とその周辺は、よく確認しながら進入しよう、と反省した。

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ひとりで大空へ! 〜大感激と祝福〜
着地の後、グライダーを回収していた自分の後ろで「おめでとー!」と声がして、ランディングエリアで自分を見ていた講習生や、一緒に初フライトをしたMさん、インストラクターのKさんが走り寄ってきた。
そして自分を取り囲むと、全員が輪になって、大きく万歳三唱をしてくれた。
1人で飛んだ感激と、ほとんど面識が無いのに同じ目的を持った仲間たちが、皆笑顔で自分のことのように喜んでくれたことに感動して、ちょっと涙が出そうになった。
祝福.JPG
[ランディング直後の自分と祝福してくれた仲間たち]

そして何より、ずっと憧れ続けていた [自分で空を飛ぶ夢]が、20年経った今、実現した。





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